ダンタリアンの書架(三雲岳斗、スニーカー文庫)

結構好きな作者の新シリーズということで結構期待して読んだのだけれど果てしなく微妙。続きを買うかと言えば買うけれどおすすめはできない。

やや強引なきらいはあるが、話の構成としては「キノの旅時雨沢恵一)」と同じである。構成はだいぶ違うが同じ2人旅。キノの旅では国名がタイトルで、それ自体がネタとなる。「書架」ではさまざまな「幻書」なる本の内容がタイトルで、それ自体がネタとなる。

ただし、「書架」はしゃべるモトラドやパースエイダー程度で飛び道具がおさまるキノの旅とちがって、「幻書」という明らかにファンタジーなギミックを持ちだしている。でも、そういうギミックを持ちだしたからお話が面白くなっているかというと特にそういうことはない。

端的に言ってしまえば、設定に既視感が強いのに、それを超える話の面白さだったりキャラの掛け合いのおもしろさだったり、そういう魅力がみつからない。

……あれ。思ったより酷い感想になったな。ぶっちゃけ、このプロットでは苦しいので、このシリーズ書くならコールド・ゲヘナのリスタートのほうがいいかも。