植物図鑑 (有川浩)

今のところ個人的にハズレがない作家。どの本も普通におすすめできる。 強いて言えば「レインツリーの国」がちょっと弱いかな? くらい。

雑草と呼ばれることの多い植物を中心に食べたり愛でたり。そんな生活とともに進行する恋愛もの。あと書きでの作者曰く「落ち物女の子バージョン」。「ある日空から私の前に男の子(ただしイケメンに限る)が落ちてきて……」ということだそうで。でもそれだと男の子バージョンな気もするけど、女の子(向け)バージョンってことなのかなあ。っと、かなり脱線。

まあ何だ、「きのう何食べた?」とか「にゃんこ亭のレシピ」とか食事シーンがフィーチャーされた日常ものがとても好きなので、恋愛ものでも好きなことに変わりはない。恋愛、の部分に比重を置く向きにはちょっと軽く思えてしまうかも。すくなくとも「クジラの彼」「ラブコメ今昔」「阪急電車」に比べるとちょっと弱い。ありていに言えば長編にしては密度が薄いってこと。

でも、この話のメインラインはあくまで雑草食だ。それが十分美味しいのでオッケー。