残念な本2冊

お釈迦様もみてる ウェットorドライ

マリア様がみてるのスピンオフ。一冊でやめときゃええのに。と。マリみてはやたらに長く続いたけど、実に気楽に読めて、非常に綺麗に終わっただけにそのまま終わって頂きたかった。ジャンルとしては「男子校もの」ということになる訳だけれど、過去の名作と比べても何だかなあ。小説上のリアリティのない学校生活に、それを納得させる魅力のないキャラクター。多分そういうことになるのだと思う。

リリアンで起きるイベントは現実に「それはおかしい」レベルのイベントはほとんど無いが、花寺(こっちの舞台)で起きるイベントは現実では相当にありえない。それはマリみてで登場した体育祭からしてそうだ。文化系体育会系を源平になぞらえている舞台なのにそれは主軸じゃないし。有栖川というキャラクタもなんだかいろいろ残念なことになっているし。

……そいえばホモがホモとしてプラトニックなレベルで悩む話ってあんまり読んだこと無いな。

学ばない探偵たちの学園(東川篤哉

烏賊川市シリーズが境界線上なら、これは完全に境界からさようならしてしまったミステリ。無茶なトリックを使ったミステリを「バカミス」と呼ぶことがあるが、それが愛されるためにはそういうトリックを許すような世界が必要だ。それはアホみたいな萌え世界でもいいし島田荘司みたいにホラー風味の異世界空間でもいい。そういうものが全然ない。よって終了。

イントロは一応そういう世界を書こうという気があったのかもしれない。文芸部に入ろうとした主人公が、文芸部を不法占拠していた探偵部に入部するというのはかなり無茶な描写だ。

本棚整理してたら未読で出てきたのだけどなあ。