晴れた空にくじら3(大西科学)

この巻で完結? と知ったときにはえっ、と思った。もうちょっと話を大きく広げるのかなあと。でも読んでみて前言撤回。大西科学氏のお話は、これくらいのスケール感が丁度良い気がしてきた。あんまりでっかい、壮大なストーリー、というよりも、何人かの人生のほんの一部を切り取ったお話。10巻以上のサーガより、長くても数巻で終わる小説。

終わらせかたについてはなんだか唐突だなあ、と思わないでもないけれど、削った結果なのかなあ。もうちょっとこう、距離を保ったままでも良かったような。こう書くと距離が何を差しているのかは2択になってしまうのか? まあいいや、そのくらい曖昧で。雑文サイト「大西科学」の雑文では「ベルは鳴り響く」が好きです。この会話好きだなあ。そしてこれが書かれたのが9年前であることに絶句したのであった。